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2003-2004のNZ記

※その1・・「ワシ、大まじめに仕事してるのに」('03 12/11アップ)

こんな写真送ってくる人が居るんだなぁ。悔しいんでねぇーの。 「おめぇのカァチャン、デーベーソー!」って、今時ゃ、誰も言わんか?サトウさん。


※その2・・・「まずは、グビッっとやります」('04 2/5アップ)

着いた。やっと来られた。と言っても仕事を全部片づけたわけではなく、ロッドをオーダーしてくれた人の分は引き続きお待ちいただいたままである。ゴメンね。
さて今回はクライストチャーチの空港から夜行バスで家に向かった。しかし、揺られること10時間強。直行便なら成田まで帰れるほどの長さである。乗客はたったの7人。「ナイトライダー!」・・・名前はかっちょいいが、消えゆく運命のバスかもしれないと思った。途中でひとり、またひとりと降りていき、最終地までの生き残りはたった一人。ワシはその一人を残して40分ほど手前で降りた。小雨の降る夜中の二時半だった。
夜道をとぼとぼと歩く。途中にあるピーターの家も電気は消えていた。叩きおこしてみよかなという衝動にかられて立ち止まったが、二時半ではチトきびしい。小声で「着いたぞ〜」っとだけささやいた。50歳をとうに過ぎた親父が夜中の道ばたでやる言動ではない・・・我ながら気色悪くなり、ブルブルと身震いをしてまた歩く。
家に着き、鍵を回してドアノブを引っ張ると、軽〜く開いた。いつもはギギギときしむ。今日のように雨の日はなおさら重くなるはずのドアがである。よほど乾燥した日が続いていたのだろう。そして、その読みは当たっていた。次の日、ピーターと話すと、これまでの記録を破るくらいの減水が続いてたのだそうだ。水がなくてサカナも激やせ。強制的ダイエットだ。日本のデブ女は全員マタウラに来なさい・・・?
「この前釣った7ポンドはあるだろうサイズのがたったの4ポンドだった」とか、「顔を見せたことがない底の岩がいっぱい見えた」とか。ピーターだけでなく他のみんなもだいぶ苦戦をしていたらしい。
そういうことなら、慌てることはない。のんびりと家の掃除やら洗濯やらをやりながら雨を待とう。まだ2ヶ月半は居られる。きっとまた、どれを狙ったらいいのか分からなくなるほどのライズの嵐が訪れるに違いないだろうし、もしそれがなかなか来ないようならちょこっと遠出すればどうにでもなるのだから。
とりあえず・・・ビール飲もう。
※その3・・・思ったとおりになると、嬉しくないこともあるのだ。('04/2/19)

クイーンズタウンのさとうさんと待ち合わせ、大きなブラウンが釣れる川に行った。大雨がドカっと・・・雨の場合は「ドカ」っとは言わないか・・でもこっちの大雨はザーってなんて生易しいものではないので・・・ザブザブーン?、ジャジャジャバーン?っとまぁそんな感じで降った次の日、風もつおい。
この川はマタウラ本流と違って、どんどん歩きながら釣る。一般的なNZのスタイルだ。去年も何度かやったけれど、いつも先行者が居るような人気の川。人さえ入ってなければ釣る自信は充分にある。
そして、その日はというと、だ〜れも居ない。ラッキー。
しかし、雲の反射と風のさざ波で、なかなか見つけられない。業を煮やしてセミのような色をしたマドラーを流すが、2度のチェースにもかかわらず、フッキング不成功。
さらに、「見つけた!」と思ったとたん、ぐぉ〜んっと去ってしまうやつ。さっきまでの釣る自信は風船がしぼむようにどんどん小さくなってしまった。
そんなことをしてるうちに対岸の流れを見ると、佐藤さんの竿が曲がっている。どんどん、さかなに引きずられ、下のプールまで降りていく。追いかけて見に行くと、やはり体高のある立派なブラウン。7ポンド。それが下の写真。実物より、フニャっとした感じに写っているがほんとはもっとがっしりとした「エライぞ!」と威張ったふうのヤツだった。重さを量ったとき「え?7ポンドしかない?」と言わしめるほどだったのに、ワシ、撮り方相変わらず下手だなぁ。

さとうさんが持ってきてくれた、おにぎり3ヶ、一気に食った。うまかった。マタウラの近くで買える米は炊きたてはうまいけど、おにぎりには向かない。嬉しくなって「今日は釣れなくても、こんなうまいおにぎり食えたんだから、もういいか」と思ってしまった。そうしたら、その後、折角見つけたのが、よろずやアントのすっぽ抜け、ワシ、ほんとにボウズになってしまった。あぁ、あの時「もういいか」なんて思わなければよかったなぁ。
※その4  天罰下るの巻き('04 3 21アップ)
 今日は朝から、雨。
 このところ、風も穏やかで天気もまぁまぁ良い日が続いていた。気温が上がりすぎたせいか、日中のライズがあまり起こらず、イブニングをメインにやっていた。毎晩の夜遊びは結構疲れるので、今日は丁度良いお休みである。
 遅く起きたので朝飯は無しにして、お昼になったら食うことにする。それでもやはり腹が減ってきて、時計をみると、あと30分もすればお昼。それでは昼飯をと思ったとたん、重要なことを思い出した。昨日でサマータイムが終わっていたのだった。夏が終わり、今日からは1時間違いの生活。つまり、あと1時間半しないとお昼にならないのだ。困ったことになった。「腹は減る〜ぅ、お昼は来ない〜」と昔流行した曲のメロディーで歌い(雪は振る〜アナタは来ない、のヤツ)ウ〜ム、と一唸りしたのだが、解決策は、待つか、それとも社会のルールを破るか、二つにひとつ。
 「ルールを破ろう!」
 と、大げさに言ってはみたけれど、トーストにレタス、マヨネーズ、トマト、コーヒー、リンゴ。と脈略もなく適当に食っただけ。早い話、よろずやハウスでの生活は所詮ルールもヘッタクレもありゃせんのだが、一応、ネタ作りとして無理やり書いてみたというだけなのである。失礼こきやした。

   昨日のイブニングはピーターとやった。ビーティスビーチというポイント、少し風でさざ波が立っていたので、ライズも毛ばりも見えにくかったけど、何匹か掛けて楽しんでいた。ピーターがいる下流のほうはライズがなさそうである。業を煮やした彼、上流に向かった。実は、そこにはライズしていたサカナが居るのを来る途中の車の中から確認していたのだ。しかし、そこは実は「マイケルここに眠る」のプレートが埋め込まれている岩の前、ワシは、信心深いほうではまったくないのだが、何となく、あの世に居るマイケルに悪いような気がして、そのサカナには手を出してなかったのである。それをピーターめ、やっつけてしまったのだった。
 「ワシ、向こうの世界に行ったとき、マイケルに言い付けちゃうかんね!」「ヘレンにも言っちゃうぞ」と抗議したが、かえるの面にしょんべん。「言い付けなくても、マイケルはちゃんと見てたんだから、最初から知ってるよ」「ヘレンにはケンが言う前に教えるもんね〜」だと。
 そして、ピーターはその晩、たったその一匹だけしか釣れなかったのだった。バチがあたったのだなきっと。ウン、そうに違いないと、ワシはつくづく納得したのであった。

(註 故マイケルはこの地のフライシーンを取り仕切っていた親分的存在だった人で、ヘレンはその奥さん。2003年1月号のフライロッダーズP137に書きました)
※その5は・・・そしてみんなが居なくなる('04 4/17アップ)

 あと2日しか無い。日本に帰るのである。
 昨日は小雨の中、少しだけやって4ポンドクラスを一匹だけ釣った。そのときは別段いつものように、ろくに釣ったマスの顔も見ずに放してしまったが、あれが多分今シーズンの最後のサカナになるであろう。というのはあのとき既に降り始めていた雨がそのまま本降りになり、その上に気温も上がったものだから、山に積もっていた雪も溶けて流れ、川は茶色の濁流になってしまったのだ。こんなことならもう少しあのマスと別れを惜しんでおくべきだった。
 本来ならライズバコバコの筈のこの時期である。「もういい!もうじゅうぶん!サカナの顔なんかもう見たくもない」と本気で思って最後の日を終わるのが、ここ数年の常であったのだ。
 あぁそれなのに、なんということだろう。家の中で帰国の日まで、ただ窓の外を眺めて時間をつぶすことになろうとは。
 もう毛ばりも巻く必要も無いだろう。タイイングデスクの上に散らかしっぱなしになっていたマテリアルを片付け、バイスを外した。
 しばらくすると、クイーンズタウンからケイスケたちが来るが、濁流の川を見て竿を振ることもなく帰っていった。ケイスケももうすぐ日本に戻るのだ。
 雨が上がって、水溜りで遊ぶ子供たちの歓声が聞こえてきた。窓から川を見るとやはり相変わらずコーヒー牛乳の色。その窓を少し開けると、ザーザーと大きな川の音がここまで聞こえる。
 シーズン中、一度も掃除せずにドロだらけになっていた車を洗い、車内に置きっぱなしの釣り道具も片付けた。
 あとはコーヒーを飲みながら、ため息混じりに、こうしてキーを叩いている。

 今日はフランクとシェリーがアメリカへ帰っていった・・・

 やはりアメリカからのロンもそろそろ帰る・・・。ワシがそのあと飛行機に乗り、ピーターはそれから5日くらいするとオーストラリアに戻る・・・。

 釣りキチたちが居なくなり・・・マタウラのシーズンが終わる・・・