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2002-2003のNZ記

  ※その1・・・言っときますが、いつもはリリース派でっせ(02/12/7)

 また、ニュージーランドのシーズンが始まって、半年ぶりに帰ってきた。ジャングルのように荒れ放題のよろずやハウス裏庭は今年もやはり変わりなく、雑草や雑木がくんずほぐれつ入り乱れていた。何とかしたいと思って格闘したけど、2坪ほどの広さを切り開くのに汗だくになり、その日は早々に切り上げた。雑草だけなら、除草剤で事足りるのだが、ツタやら、ウドの大木やら、わけの判らない枝があちこち伸びているのだ。で、それを切ってどうするかってぇと、今のところ具体案は無い。とりあえずバーべQでもやりたいなぁ。それもジャングルから切り出した木を使って焚き火で肉を焼きたいなぁ。それに、たまには小さめのブラウンをキープして塩焼ってのも良いであろう。ついでに羊や牛もキープしてこよう、ウソウソ。でもジャングルにやって来る野鳥は何とかなりそうである。ティペットに大き目のフックを結び、シューティングヘッドで一発ぶちかましゃ捕れないとも限らない。野鳥の会の皆さんが聞いたら、目を丸くして怒りそうな話だが、日本のとは違う鳥がどんな味か、ちょびっと試してみたいものである。それにサカナをキープする話だって日本のフライマンなら目が三角になるに違いない。でも、である。それは日本の現状を見ての発想であって、この辺のフライマンにはキープするひとも珍しくない。
 よろずやハウス近辺は4匹までキープ可。かと言って、4匹持ち帰るフライマンはまだ見たことがない。「今晩のおかずに少し持ってくか」と、1匹ブラブラと指に引っ掛けて帰って行く。ガツガツしたところが無い、まったく自然な風景である。
 もっとも、こっちのサカナの1匹は日本のサカナのビク一籠分のサカナより、もっと重いかもしれない。考えてみれば凄いことである。そのようにキープされてもなお川は毎年サカナだらけ。ここマタウラ周辺はNZの中でも特別に凄いところだとつくづく思わされる。
 で、もし裏庭でバーベQが出来るようになったとする。すると当然、塩焼きサイズのブラウンを釣らなければならない。これが難しい。小さいのを狙ったとしても、塩焼きには大きすぎる。川魚を切り身にしてまるで塩鮭のように焼くのは風情に欠ける。やはり、頭と尻尾を両手で持ち、「ハフハフ」と言いながらかぶりつく。これでなければイケナイ。さて、これは困った。どうやって8寸ブラウンを釣ったらええもんか。う〜む、遠くまで走れば小さいのだらけの川がないこともないが、やはりこういうものは地物でなければ鮮度が落ちる。「江戸前寿司」ならぬ「マタウラ前塩焼き」・・・ちと旨そうなひびきではないけれど、まぁ、シャキっとした生きのいいヤツを、たんと燃して煙を出しきり、炭ようになった赤い火の上で、塩をパパパって振ってジューっと焼く。・・・よだれが出てきた。たまんねぇー!
 という話を書いているうちに、ほんとに食いたくなって、実は夕方、一匹40センチちょいくらいの小さなヤツを釣ってきた。マタウラ支流の川海老がたくさん居る川。そこのブラウンはそれを食ってるので身が赤い。この周辺では一番味が良いといわれる。電気オーブンで焼くので最初のもくろみよりだいぶ趣に欠けるが、今のところは仕方ない。
 塩じゃけの切り身みたいに焼いて食った。が、少し、ドロ匂い。日本の岩魚も40cmのはあまり美味くなかったから、やはり塩焼きは8寸とか9寸でなければダメのようだ。
 ん?40cm岩魚も食ったのかって?「うん、食った!」キャンプしてる時は貴重な食料として山菜と一緒に岩魚も食うのだ。よろずやハウスの生活もキャンプみたいなもんだから、気分的には食ってもしょうがないのだ。って、チラリとある後ろめたさをごまかそうって魂胆、ミエミエ。
 次の日、一回では食べきれないので今度は油で炒めてみた。仕上げはバターひとかけら。するとどうだろ、匂いが消えてとっても美味いじゃあ〜りませんか。結局、残り全部をたいらげてしまった。  でもこんなことしょっちゅうやってたのでは日本のフライマンの名が廃る。次回は怪我させてしまったヤツをキープしてこよう。出血などさせてしまったヤツはどうせあの世行きなわけだから、申し開きもできようというもの。
 さ〜て、早くフックの刺さりどころが悪いのが出てこないかなぁ、って、これって、もっすごい不謹慎きわまりない考えでありますなぁ。日本の知り合いは青筋たててC&Rを念仏のように唱えているというのに、マタウラに居るとどんどん感覚が変わってしまうなぁああああああああ。
※ その2は・・・「アリサさんからのメール」
(02/12/14アップ。地名はワシの独断で仮名に変更しちゃいやした)

よろずやさん、こんばんわ!
今日はQTOWNは雪が降りました。
一体お天気どうなっちゃったんでしょう…
ゴアのほうはいかかですか?
どちらにしても雨が降っていますよね、きっと。

さてさて、今回のお休みは、プリッツェル(仮名)方面に遠征してまいりました。
朝は、QTOWNは雨が降っていて、これがかなりモチベーションを下げたのです が、 とにかく釣りたい一心で出発しました。
最初はいろんなところのリサーチでぐるぐる回っていたのですが、 強風強風で、雲行きもどんどん怪しくなったので、 最後に訪れたオーミィァンデァム(仮名)川で釣ることにしました。

そこで、なんとこのわたくしが、ブラウン釣れちゃいました!

ニンフで向こう岸際のぎりぎりを白い泡と共に流してて、 っというかたまたまそこに投げれて流してた…の方が正解ですね… そしたらインディケーターがプン!って沈んであれ?!って思って 合わせたらビビビビーーーって!
「きたーーーーーーー!」って叫んでも圭介は遠くって聞こえず、 ネットも背中にくくりつけたまんまだったので取れずに どうしようどうしようってかなり焦りながらロッドを立ててたら 魚がビヨーーーンって走って、でもリールをとても硬く締めていたので ロッドが曲がっっちゃって、あわてて自分でラインを出して、 それでドラグを調節しなきゃって思ったのですが、どっちに回したら 緩むのかわからなくなっちゃってとりあえず、ぐるって回したら、めちゃめちゃ緩ん じゃって 魚がどんどん走っちゃって、しょうがなく手の平でリールを押さえてはリールを巻い て ととても忙しいランディングになってしまいました。
全くの準備不足でした…
それでもなんとか引き寄せて、岸にまで上げることが出来ました。

上げてびっくり、測ってみたら64cmあったのです。
圭介を呼んで確認してもらってもやっぱり64cmあったのです。
圭介が私を見て最初に言った言葉が
「お前めちゃめちゃ手が震えてるぞ。」
自分の手を見ると本当にガッタガタ震えていました。
興奮しすぎて自分の手があんなに震えてることに気付きませんでした。
でも本当に本当に感動しました!

フライフィッシングはおもしろいですね!
早く上手になりたいです。
そして私は3年のワークビザを申請することに決めました。

なんか自分のことばっかり書いちゃってすみません…
仕事場の仲間に言っても、 「え?それでなんで食べないの?なんで逃がしちゃうの?」 などの答えしか返って来ず、つまらないんですもの…

ゴアに来週行きたいと思っているのですがやっぱりだめみたいですか?
(かなり雨が続いて今現在濁流なのです。 byよろずやオヤジ)

暑くなったり寒くなったりと変な気候ですが風邪などにはお気をつけくださいね!

ありさ


※その3 忘れたころに書いちゃうけん(03/9/30アップ)

 このコーナー、サボりにサボっているうちにマタウラのシーズンがとっくに終わってしまった。今はもう日本に帰ってかなり過ぎてしまったわけであるが、それにしてもあまりにも書かなすぎた。後ろメタメタタタタタタタタタと三連符でごまかそうかとも思ったが、「よろずやオヤジはついにイッちゃったらしいぞ」などと噂されかねない。やめていた酒飲みもすっかりと再開したことでもあるし、久しぶし尻三つ裂アホアホ文章を書いたるけんねーっ!
 ネタは・・・とりあえず、今シーズンのマタウラの思い出話。「とりあえず」と書いたのは後になってどうなるか分からないからで、今のところは話の筋書きなどなんも考えずにどんどん好き勝手に書いてしまおうという魂胆なのだ。
 まずはシーズン初期のアメアメアメ。・・・そう、雨ばかり降りおった。♪坊や〜、酔い子だ、フラフラだ〜、ってな。♪川ぁは毎ぃ日ぃ〜雑炊だぁ〜。オッカァ、おら、でこん飯が食いてぇだぁ・・・うん。って、なにが「うん」やねん!
 そんなわけで、長い間、ワシらマタウラの釣りキチたちは毎日毎日、茶色の川を恨めしそうに眺めながらあっちの川こっちの川と走り回るはめになった。
 釣りキチピーターとキャンプ道具を「騎兵隊」に積み込み・・・?いやその、ワシの車、騎兵隊という意味の「トゥルーパー」と名前の付いた正規輸入車・・と書くと格好いいが、かなり旧型のビッグホーンなのだ。

  ねらいはニジマス。それも元気なヤツ。実はすごいヤツが釣れるという噂を聞きつけ、お互いウズウズしていたのである。途中の峠道は絶景。こんなところにこんなところがあるなんてなんてところだ(三連符のリズムで読めるものなら読んでごらんなさい!)。丁度中間地点に自然石を積み上げたホテルがポツンと人里離れて建っており、こんなところにこんなところが・・・ん?いい加減にしろ?・・・うんにゃ、いい加減にしたくない。すごい格好ええんじゃけんのぉ。まるで西部のガンマンが馬に乗ってやってくるようなホテルじゃけんのぉ。日活やくざ映画風の言い回しじゃけん。くるくるってピストル回して人差し指痛い痛いー、になるけん。たいへんじゃきにのぅ・・・へへ、誰も知らんかこんな昔のネタ。
 で、そのホテルを過ぎるといよいよ片側断崖絶壁の砂利道を延々登り、そしていつの間にやら下りに入る。その間ずーっとピーターは、よそ見運転で景観を楽しむワシの代わりに右足をつっぱりブレーキを踏む、いや、助手席にはブレーキがないので床を踏む。それも一驚とばかり、4輪ドリフトさせてみると、ビビリまくって「オラ、まだ死にたくねぇよ」っと泣き顔で怒る。マタウラ界隈ではグラベルキングと異名をとるワシの悪路走行の腕前を信用してくれない。ピーターはいつも巡航速度80キロの安全運転のシトなのだ。ちなみにふつうの人は100キロちょっと、120キロくらいでぶっ飛んでいくハンドルにぶら下がったジジババも珍しくない。ウソだと思うなら見に行くがよいぞよ。木下サーカスも見学にくるくらいなのであるのだ。ウソだけど。
 さて、峠を越えると谷、当然、谷川がありますねぇ。きれいな水であります。顔を見合わせニヤリとするワシら。すぐにでも竿を出したいけれど、取り合えず今日の寝場所を探す。どんどん行くと、いい具合にモーターキャンプ。そこで決まり。そうなるとあとはもう釣り、えっへへ〜っ、てな具合にニジマスガバッと出る、ジャンプ、ワシら走る、滑る、コケる、痛い痛い、けど面白い、太い、速い、つおい、きれい、引っ越しの〜○×イ〜♪。
 キャンプ場のオヤジは「本流から遡ってきてるんだ。今が最高の時だよ」と言う。まさに本流ヤマメをそのまま大きくしたような体高のある素晴らしいニジマスがたくさん釣れた。マタウラでの欲求不満は初日からすっかり解消してしまった。
 川は荒々しい山の中を縫ってながれていた。そのような険しい山なのに牧場として羊が放たれていた。遠くから口笛が聞こえる。はて、その主はどこだろうと見回すと、なんと真っ青な空に突き刺さるようにそびえる頂のてっぺんに米粒のように小さく見える人影。「ぴぃ〜ぃぃイッ!」っとやっていた。犬の鳴き声が聞こえるが姿は見えない。どこかで口笛の命令に従い羊を追って走り回っているのだ。
 NZの男どもが何か体力勝負の仕事をするとき、「大丈夫?」と心配して聞くと「オイオイ、俺らはキウイだぞ」と誇らしげに胸を張る。山の上の男もきっとそう言うのだろう。あの頂までの斜面を登って帰るだけで一日たっぷりかかりそうな仕事なのに、「キウイだぞ」と言うのであろう。
 目を川に戻すと、悠然と泳ぐニジが居る。チェルノを投げ、またまた走り回るニジを追いかける。まるで牧羊犬のようだ、ワン。
 週末になるとキャンプ場が混み始めた。地元の連中らしいグループが酒飲みを始め、夜中中うるさい。ワシの一人用の小さなテントの脇をよたよたの足取りでトイレに行き来する。「見てよ、このかわいいテント。子供用かしら」「シー!中にジャパニーズが居るんだぞ」「あらホント?日本人って何でも小さく作るって言うけど、信じらんない。まるで棺桶みたいよ。キャハハハ!」。・・・余計なお世話である。しばしそんな馬鹿騒ぎを聞かされた末、やっと静かになったと思ったら、もう明るくなり始めた。すると今度は「コーン!」「カーン!」という甲高い鳥の声。ベルバードだ。毎朝目覚まし時計のようにキャンプ場の全員をたたき起こす。芸能人は朝は苦手なのにこんなに早く起こされるなんて。どうにも眠くて釣りに行く元気が出ない。
 「ピーター・・・、帰ろうよ」。ワシらはダラダラとテントをたたんだ。
 どうせまだ濁流なのだろうけど、とりあえずは体力を回復しに家に帰るのだ。ニジマスとかけっこしながらテント生活を一週間もやるとチビッとチカれてしまうのだった。