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2002・4月のNZ記
※その1、・・・は無理矢理始まる。(4/13アップ)
今日から突然、4月のお話なのである。
前回の2月まで話はオチもないまま突然オシマイにしちゃったわけだけど、アレしてコレしてイングリマングリしてるうちに、またまたこっちに来てしまったわけで、なんとも話の流れが自分でもどうなってんのか・・・えーい!・・・ってなわけなのである・・・?
今回はカンガルーマークのカンタス飛行機に乗った。シドニーまでは日本語オーケーのスッチャサン。それに機内食も日本人好みでなかなかうまい。ただし、今回も座席は翼の脇、見晴らしがすこぶる悪い。チェックイン時に要求すると良い座席にしてもらえるらしいのだが、うっかりいつも忘れてしまうので、翼の端っこから見える雄大であろう景色の隅っこだけを楽しむことになるのである。
シドニーで乗り換え、クライストチャーチに向かう。
日本人は後ろの席に夫婦らしいのがいるだけ。ワシの隣はアジア系のオネエチャンである。ワシは韓国語も中国語もベトナム語もブータンの言葉も出来ないので、最初にちょこっと頭を下げただけで、しばらくの間、会話無し。そのウチに彼女、トイレに行きたくなったらしく、「エクスクーズミー」っと、通路側に座って邪魔なワシに訴える。ワシも「ナンタラカンタラ〜」っと英語で返し、席を立つ。
英語が解れば、茶飲み話も出来ようというもの、なんつっても黙ったまま何時間も隣同士ってのはお互い気まずいもの、「どっから来たの?」とか「アンタの国はどんなん?」とかたわいもない会話をするだけで空気が和むのである。
そういうわけで、「なんちゃらかんちゃら〜」と話し始めた訳である。
どうやらオーストラリアを旅行してNZに帰るのらしい。しかし、NZに住んでるのかというとそうでもないようで、もうすぐ別のところに行くという。な、何者?スパイ?っと勘ぐりたくなるような話である。あーなってこうなってっと続けるうち、日本に帰るのだと言う。「えー!アンタ、ニッポンジンでっか?」なんでやねん。なんで日本人通しが英語やねん。あ〜、アホくさ。こうなると、何故か不思議と会話はとぎれとぎれになるのである。おもろない、日本人じゃスパイやおまへん、せいぜい梅干しくってスッパイ、てーのが関の山である。会話オシマイ、寝よ寝よ。
NZに着き、入国手続き。パスポートに、いつも通り簡単に3ヶ月滞在許可のスタンプをポンと。
荷物を待つ。いつもはなかなか出てこないので、イライラするのだが、これも簡単に出てきた。お陰で次の税関へは一番乗り。普段、一等賞には縁遠いワシなので、とりあえず嬉しい。
今回は竿を持ってないので、釣り師には見えない。怪しいものも持ってない。難なくクリアで、堂々のNZ一番乗り。ニッホンジンの快挙である。
さて、庭の芝生はどんなに凄いことになってんのかと心配しつつ家に着くと、キレイに刈ってある。「どうなってんの?」とベブに聞くと、「緑オトコが勝手にやっちゃったのよ」だと。この緑オトコ、何者かというと、庭師。「ミスターグリーン」という庭の手入れ会社の人である。勝手に刈ってしまうなんてなんて勝手な、なんて、駄ジャレでも言わなきゃ収まりがつかない。
まぁそれでも、到着早々、芝刈りしなくて済むわけで、緑オトコさんアリガトウ。
さて、明日は釣り、明後日も釣り、その次の日も、またその明くる日も、釣り釣り釣り釣り、アハ、アハ、アハ、てな具合のアホアホ生活の始まり始まりである。
※その2は・・・釣りに行くのが忙しいので写真だけ(4/18アップ)

※その3は・・・寂しがってる暇はない(4/23)
近所のピーター、ワシより先に帰っていった。一週間くらいまえから毎日一緒に釣りをしたのだが、川に着くと、「よーし、あと1週間だからうんと釣るぞー」。釣りが終わると、「あー!あと6日しか無いー!」。次の日は「あと6日だー」「5日だー」っと、毎日毎日「あー」「うー」「もー」っとうるさいことこの上ない。最後の日などは、川から上がって「オシマーイ!」っと覚えたばかりの日本語で、川への未練を断ち切るように高らかに空に向かって叫び、泣きそうな顔になるのであった。次の鱒釣りシーズンまで半年間、ヤツは暖かいオーストラリアで生活するのだ。
こうなると今度は泣きたくなるのはこっちの番、ロンも既にアメリカに戻ってしまったし、デイビッドと奥さんのベブ以外、近所に釣り仲間は居ない。広大なポイントで、風に吹かれながら一人竿を振るときなぞ、フッと「遠いところに来てしまったなぁ」っと普段は全く思わないような、昔流行った歌でも唄いたくなるような、そんな気持ちになるのである。
ちょうどそんなとき、下流から誰かが釣り上ってきた。大きな声で何か怒鳴ってるが聞き取れない。まぁ、こういうときの決まり文句の「釣れてるかーい?!」に違いない、そう思って、こっちに来るまで待っていると、近づくにつれて、その声「ケーン」っと呼んでいる。「ケン?」ってワシのコトじゃん。そうワシの名前の「研」は「みがく」と読むのだが、ガイジンには発音しにくくて「みにゃく」になってしまう。だから、こっちでは簡単に「ケン」と呼んでもらってるのである。
で、ワシを知ってる釣り師は誰かいなと近眼の目に力を入れて見てみれば、「あ〜ら、グラハム爺さん、またまたやって来ちゃったのねぇ」「また会えて嬉しいよ」っと彼の痩せた体型に似合わないごつい手と握手するのであった。
この人は3時間ほど離れた町に住んでいるのだが、マタウラの近くのモーターキャンプにキャンピングカーを置きっぱなしにしている。釣りシーズンは家とキャンプとを行ったり来たりの生活なのだ。
この人、顔がイカス。見ただけで日本人ならだれでも感激するのである。なぜなら、高倉健、いや菅原ブンタだったかな?どっちにしてもやくざ映画に出てくるような、まったくのおなじみの顔なのである。ただ、なじみやすい顔に関わらず、何を言ってるのかさっぱりわからん。カーメカニックだったこの人の英語は訛ってる上にべらんめぇスピード。ま、それでもワシらは同じ釣り師、話す内容は万国共通でどうにかなるのである。
さほどライズの無い、ウィリーミラーと呼ばれるポイントの鏡のような水面を前に、なんちゃらかんちゃらと喋ってると・・・・始まりました。ポッ、ポッとハッチし始まったかと思ったら、鳥がどこからともなく飛んできて水面すれすれをヒラりヒラリと虫を捕らえる。その数、数十匹にもなろうかと思えたころ、突然、あっちでもこっちでも水が割れ、盛り上がり、波紋だらけに・・・パクッ、パコン、と水面に出した口を閉じる音・・・・グラハム爺さん、ワシの肩を力強く叩き「ケン、きやがったぞ、アーハッハッハ!」と。
先ほどまでの、心淋しい気持ちなど、すっかりどこかに消え失せ。今日もロッドとリールの耐久テストのような釣りが始まったのである。
※その4は・・健忘王の心は揺れるのでありやすなぁ。(5/25アップ)
天気が良い日はちょっと遠出をする。よろずやおんぼろハウスから車を飛ばし、当HPお馴染み、747トラウトの川に行った。
2月以来ご無沙汰だったその川の上を吹く風はもう冷たく、秋の終わりを感じさせる。2〜3匹見つけたサカナも活性はかなり下がっているらしくドライには反応しない。かといって沈めても食わない。追い食いする気のないヤツの目の前に流し込もうと何度かキャストするが、そのせいでスプークするばかり。何度かそんなことを繰り返し、大きいのが居るのに釣れないジレンマから気持ちを解放するべく、空を見上げた。大きな青い空。パラダイスダックのカップルがアホな日本人を小馬鹿にしたように「ガハッガハッガハ」っと笑いながら飛んで行った。ポカンと口を開けてそれを見るのはますますアホのようなので「アムッ!」と口を閉じ、目を横にやった。今度は大きな牛が二匹「モ〜〜ォ」っとこれまた「このアホそんなとこで何やってんだ〜ぁ」とでも言いたげに。ワシは「モォ!」っと抗議した。空にも「ガー!」っと言ってやった。ついでに関係ない顔をして草に顔を沈めているヒツジ達にも「メッ!」っと八つ当たりをし、一応、この愚行を見てる人がいないことを確認し、サカナ釣り再開である。
流れの中の、ワシを嫌いなマスに見切りを付け、とろいたるみのヤツを捜して歩くと、大石の下流にいい具合にゆっくりとした巻き返し。しばし観察していると、案の定、石から黒い陰が離れた。それが静かに浮上し、小さな虫をスポッと吸い込む。黒い小さな虫である。困ったことになった。あれにマッチするような小さなフライのアイには3Xは通らない。なにせここのマスは3Xですら平気でぶっちぎってしまう力持ちも居る。とりあえず3Xを結べる毛針を投げるがやはり食わない。かといって毛針をとっかえひっかえして何度も投げたらまたスプークするに違いない。どうしたもんか。気をてらって巨大な真っ黒ビートルを、とも考えたが、ワシ、冒険王にはなれない。少し語調が似てる健忘症にはなれるけど。そうだ、夏が過ぎたのを忘れた振りしてまたまた定番よろずやアントを付けよう。健忘王になるのだ。
大石は流れの向こう側。巻き返しの最後の所、つまりしっぽをこちらに向けて石の際にヤツは居る。ワシ、キャスティングが非常に上手いので、石の肩にラインの先を乗せ、リーダーと毛針だけを水面に落とした。落ちたのではない、落としたのだ。上手いから落としたのだ。偶然上手くいったとしても、そのときは出来てしまったのだから自慢するのだ。うんと上手いのだ、ぞと。
で、ここで、「マスはまんまと毛針を無視して逃げてしまった」などと書くと、皆さん「ざま〜みさらせ、ケッケッケ」などと喜ぶのでありやしょうが、ワシ!上手いから!釣っちゃったのでありますなぁ、ケッケッケ。(イヤミだった?ゴミンニ)それがこのコーナーの少し上に載ってる「残念ながら、10ポンドにわずかに及ばず」なのでありやすが、・・・う〜んおしい。まったくおしい。9.5ポンド、約70センチメートル。夏に釣った747よりやせていたので、しょうがないっちゃしょうがおまへんけれど、やっぱりおしいなぁてなことを言うのは贅沢っちゅもんではありんすけど、う〜む・・。てな具合に、「サイズにはこだわらない」と公言しているワシの心はウルウルと揺れたのでありやした。
※その5は・・・食い物の話(7/11アップ)
乾うどんを貰った。しかし、つゆがぁ〜無い(昔々の井上陽水みたいだなぁ)。どうしたもんかと考えつつ何日もそのままになっていた。そんなところにサトウさんのおでまし。さ〜すがぁ、である。アッという間にそばつゆの出来上がり。「美味いねぇ〜」の連発でいただいた。釣り師としての友人サトウさん、本職の技もナイスである。
数日後、肉屋に行った。牛肉の薄切りは出来ないかな?っと聞くと、どれくらいの薄さ?と言うので、1〜2oくらいと応えると、大笑いをされてしまった。日本にはしゃぶしゃぶという食べ方があるんだと力説するが、笑うばかりで信用しない。どうにも食生活の違いにはなんともしがたいものがあり、その溝は埋まりそうにもないような気にさせられる。しかし、しかしである。彼らが日本の味を理解できないのかというとそうでもない。みそ味、日本のマヨネーズ、ノリ、天ぷら・・・みんな美味しいと喜んで食べる。驚いたことにアンコまで食べる。アメリカ人はみんな大嫌いなアンコ、どういうわけかNZ人は美味しいんだと。不思議なもんである。
こうなると色々と実験してみたくなる。キャベツの一夜漬け、これはどうやら物足りないらしい。余計な香料などいっさい入れないアッサリ塩味ってのはやっぱりワビサビ日本人専用だ。
親子丼、これは名前の意味を説明すると可哀想だと言って食べられなくなる。たしかに気にもとめずにいたが親も子も一緒に料理しちゃうてのは、なんともブラックなネーミングではある。それから梅干し、これは取り扱い注意品目、前もって説明なしに食べさせようものならマジで怒る。本気で怒るのだ。それを楽しむのも一驚なんてこたぁ考えちゃイケナイ。ヘタすりゃパールハーバーの二の舞、危険度Aランクなのである。
そんなこんなの異文化交流の末、今、ガイドのデイビッドの家では、キャベツとキュウリの「よろずや一夜漬け」、豚肉と野菜の「よろずやみそ味肉炒め」、キューピーマヨネーズを使った「よろずやサラダ」などが食べられる。
彼の家には釣り師専用ゲストルームがあるので、そちらにお泊まりの際は是非「よろずやテイスト」をリクエストして堪能していただきたい。美味いかまずいかはワシャ知らん。