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NZ記(2001・4月※その11〜16
その11・・・どんなにギラリと光ろうと、ビールが美味い。(7/6)
NZ在住の、おなじみ佐藤さん夫妻と今回も時々一緒に釣りが出来た。
佐藤さん、相変わらず釣りまくる。小柄な奥さんも相変わらずガンガンと。首からはどデカイカメラをぶら下げ、竿とカメラを交互に使い分けて何を撮ってるかというと、殆どがダンナの写真。まだ新婚なのでダンナ以外は目に入らないようだ。「こいつの写真、グッっとくるのがあるんですよ」っと佐藤さん。それはどんな写真?っと聞くまでもなく、やはり大きな鱒と佐藤さんの・・なのである。
みんなで例の年金生活者のポイントでイブニングまでやった。しかし、日中は大活躍のケンチャンジル、見向きもされない。こーちゃんダンもさほどのことではなさそうだ。こうなるとムキになるワシの性格、見えなくなるまで頑張った。しかしダメ。川から上がると、佐藤さんが見せてくれたもの、シャーレの中でうごめく今にも羽化しようとしているガガンボピューパ。体をくねらせるたびにギラッギラッと怪しく光る。正体をいち早くつかんだ佐藤さんたちは以外は、全員「これかぁ」っと肩を落としたのである。
家に帰り、バコンノミスギ太田さん、バイスにすがりつく。光り物をワイヤーにしたりプラスチックシートにしたり、みんな研究熱心である。ワシはというと、「オレのも巻いて」っと・・・喉元過ぎればビールのほうが美味いのであった。
その12は・・・キリストは親切なのだ。(7/6)
ものぐさなワシは荷物を出来るだけ持ちたくない。
「日本の夏、緊張の夏」の場合は最たるもので、麦わら帽子にアント数個を刺し、上はTシャツ一枚に足はウェーディングシューズだけ、ズボンのポケットに6Xティペットとラインカッター。それだけである。
しかし、ここNZ南は4月ともなれば寒い日が多くTシャツ一枚というわけにはいかない。肩が凝るので嫌いなベストには、手下に巻き上げられた軽いプラッチックのフライボックスの代わりに重いアルミの箱や、電池の残量が少なくなっても何故か重さが減らないデジカメなどが入り、重くて動きにくいことこの上ない。十字架を背負わされたキリストさんのように、「ラーメン、日本のラーメン、悔いたいなぁ」っと言ったとか・・言わない・・なヤッパ。
さて、ここにきて、まだ逆らうのはランディングネット。「取り込みのとき、サカナが弱るから持ちなさい!」っと太田さん。「だって網のなかで暴れるのもサカナ弱るよ」っとヘリクツの反論。はやい話、これ以上重い物をぶら下げたくないだけなのだ。
で、とりあえず、大きめのが掛かるとどうするか。どうにでもなるのである。しかし、太田さんが近くに居るときはどうにもならない振りをして「網、貸して網ぃ!」っとわざわざ彼のネットに入れ、重さを計ってもらうのである。ワシの場合、大きさは大して気にしないのだが、太田さんは結構シビアに「何ポンドだよ!」っと興奮するので、ワシの釣ったサカナで興奮させてあげようという親切心なのだ。
太田さんは感謝のあまり口をとがらし、「もうすくってやんねぇぞ!自分で網持てよーっ!」っとお礼の言葉を吐くのである。
「あぁ〜、ひとに親切にしてあげた後は気持ちがいいなぁ〜」・・・。
その13は・・・お宝、買い物ツァー(7/28アップ)
小さな町の隣りのさらに小さな村。そんなへんぴなところにアンティーク屋が在る。週に2日、それも午後だけの営業だ。
ヒヤカシで覗いてみると店内には所狭しと様々なものが置かれている。太田さんが去年見たときは素晴らしい形の斧があったらしいが、残念ながら見あたらない。足が折れそうに斜めに傾いた椅子。熱くなりそうもない電気コンロ。何に使うのか判断が付かない鉄製の物体。使いにくそうな形の食器。早い話、ガラクタばかりである。
まぁそれでも日本のものとは雰囲気が違うそれらの物は見ているだけでも楽しくなり、隅から隅までなめるように見て回る。
店をやってるのはやせ形の40才くらいのオトコ。客はワシらだけ。遠慮してるのか怖いのか、こちらを見て見ぬ振りである・・こんなにいい男なのに!
さて、見物が終わって帰ろうかと出入り口付近まで行くと・・・お!?・・・ややや?!・・・キャンプ用バーナー!
一見してかなり昔のもの。現在でも同じような形のが販売されてるのだが、キャンプの物心が付いてからこれまでの三十数年来、見たこともないモデルである。真鍮の燃料タンクには消えかかった「PRIMUS」の文字。鉄板をプレスして作られたゴトク。そのフレームは足と一体で本体にロウ付けされている。ポンピングしてみるとシッカリと機能をはたしていると思われる加圧感。「こ、これはなんぼなんじゃい」と値札を見れば、$15也。約750円!「おったまげ〜」である。万が一、火がつかないようなシロモノでも大儲け、飾っておくだけでもすんばらしいんじゃあ〜りませんかとウハウハしながらいじくり回していると、店の人がやっと近くに寄ってきた。「コレ、15ドルなの?」っと念をおすと「んだ、15ドルって書いてあるべ」っと。これは宝くじに当たったようなもんだ、とほくそえんだとたん。隣で聞いていた手下が信じられないようなことを・・・「もっとマケテ」。!!!・・・ワシはかつてのコント55号のようにカクカクと足の力が抜けるのを感じた。この手の物の価値が分からない手下はとりあえずこういう店での定番的行動をとっただけなのだろうが、「750円よりもっと安く」なんて言うのはすさまじい。まるで尺ヤマメを釣って「小っちぇなぁ」っとほざくようなもの。さらに言えば、よろずやの品物を「もっと安く」といったような乱心的暴言である(遠回しによろずや宣伝)。
これにはさすがに「まけられんねぇだ」と、ごもっともな返事。
すると手下、なにやら宝石入れというか、小物入れというか、3ドルほどのしょうもないもんを手に取り、「これも買うからマケテ」だと。
「ダメだべ」、「そんなこと言わないで、ネェネェ」、「ダメったらダメだすぅ」、「二個も買うんだよ」、「そんでもダメェ」。
こんなやりとり、ワシ、付き合ってられません。「もういいから充分に安いんだから」っと諭し、手下はしぶしぶレジについてくる。
で、お金を払おうとすると目の前のレジスター・・・これが素晴らしい。
グルングルンとハンドルを回すとチーンっと引き出しが開き、指で数字の所を下にジーっと引き下げて一桁ずつ入力する。傷ひとつなくピカピカに磨き上げられているのだ。
これと似たものを、とある会社の社長室に芸術品扱いで鎮座しているのを見たことがあるが、ここではまだ現役だ。
思わず「凄いなぁ」っと・・・、手下にも「見ろよコレ、カッコイイなぁ」。しばしの間「ハァ〜」「ホォ〜」っと感嘆の声を発し続けたのであった。
すると店の人、突然「そのストーブ、10ドルにすっか」・・・!。
ワシらは日本語で話していたのだが、どうやら雰囲気で分かったらしい。あまり誉められるものだからつい嬉しくなって気前がよくなったに違いない。
安くなるのは嬉しいのだけれど、250円値引きさせてその何倍も後ろめたさを感じる複雑な気分のお買い物になった。
帰国後、その筋のことに詳しいミノムシ君に聞くと、数十年前に作られたbT4というモデルだろうとのこと。たった500円で家宝一個頂きだ。
そして今、我が家の家宝は茶の湯を沸かす鉄瓶を乗せ、「まだまだ頑張れるぞ」っとでも言いたげに、嬉しそうにガスの噴出音を出しながら活躍中である。
その14は・・・今宵もシャワーは怪しい色に染まるのだ。(8/18アップ)
旅の荷造りというのは完璧と思っていても現地に着くと足りない物が必ず出てくるものである。今回の場合はパンツである。絶対にパッキングした筈なのに、無い。しょうがないのでショッピングモールの男の下着売場に行くと「有りましたぁ、10枚入りで600円の超お買い得品」。さて、その晩、早速真新しいパンツをとばかり袋から取り出すと、ムムム、オンナ物のパンチーと同じ形。チンチンを出す穴が無い。しかし、日本のオトコはこの程度では動じない。「ニュージーランドのブリーフはこういう形なんだ」「オトコ物のコーナーで売ってたんだから絶対そうだ」と思ってしまえばどーってこたぁない、「穴が無ければ横から出すぞ」とばかり、その日からちょっと色っぽいパンチー生活。いつもはガラパンのワシなのでどうも窮屈であるが「郷に入ればパンチーだってゴー!」。
小馬鹿にしたように横目で見ていた手下も、もう諦めた様子だ。
いつもの旅では4枚しかパンツを持たないので毎日シャワーをしながら洗わなければいけないのだが、今回は10枚も入ってるので余裕である。
青、赤、紫、黒・・・と、カラーバリエーションを楽しんだ数日後、手下が洗濯するというので一緒に洗ってもらった。農家の母屋の洗濯機はとても大きいので全部一緒に放り込める。ところが洗い終わった洗濯物には白色の物が一つも無くなっている。なんとパンツから色が落ち、他の洗濯物も全部ピンクになってしまったのだ。クツ下もシャツも白かったものはピンク、青いものは紫だ。どれもセンスの悪い下品な色。手下、ブーブーと文句をたれ、「おっちゃんのはまぜてあげないから明日から自分で洗いなさい」・・・と。
このパンツ、真水だと全然色が落ちないのに洗剤を付けたとたんどんどんどんどん色落ちする。手まで赤い色に染まるので、思わずチンチンを確認すると、大丈夫「よかった、よかった」。真水で色落ちしないのが幸いしたようだ。それにしても手強いヤツで、すすいで色が落ちないので「ヨシ!」とばかり乾かしてはくのだが、また洗剤を付けると色が出る。結局、旅が終わるまでの約1ヶ月間、最後までシャワーは青、赤、紫の色に染まったのである。そのガンコさに、「さすがメイドイン共産主義国家」と感心しつつ、捨てずにはき続けたワシのガンコさはもっとエライぞと自慢するのである。
日替わり色付きチンチンだったら、もっともっと自慢出来たのだろうけど・・・ちょっと残念・・・?