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物好きコーナー'07

※とりあえず、新年おめでとうのご挨拶をブラウンちゃんが言ってます。('07/1/ 16アップ)
 今年も正月早々オッカァとクライストチャーチ空港に着いた。
 今回は日本の食材をいろいろ持ってきたので、通関に手間取るだろうなと憂鬱な気分で進むと、入国カードの「食べ物持ってますか?」という質問のイエス欄に入れたチェックマークを見て、係官が「タベモノ、ナンデスカァ?」と、やはり聞いてきた。
 「ノリィ、サカナのカンヅメ、カップヌードルゥ、ミソォ、・・・」と思いだしながら列挙し始めると、「ハイ、ダイジョビネェ、1バンのレーンをイキナサレェ」と解放されてしまった。食材全部を言い終わる前に・・・。普通は荷物を全部開けられて、「コレハナンダ?ドウタベルンダ?ナニからツクラレテルノカナァ?・・」とそりゃもう英語がペラペラなワシでさえ(ウソウソ)、大変なはずなのだ。ワシの端正な顔立ちと、優雅な立ち居振る舞いはこんな時にも絶大な効果を発揮する。すばらしい。
 到着ロビーに出ると、今年も佐藤さんが「こんにちわーぁ」と出迎えてくれた。再会を喜び合う。元気そうだ。まことに結構である。
 レンタカー屋さんと契約書やら説明やらを受けながら、同時に佐藤さんとも話す。「50セント以下の硬貨が新しくなって、古いのが使えなくなりました」と言う。ワシ、いっぱい持ってるのになぁ。
 レンタカー屋さんが言う。「日本の免許証だけではダメになりました。免許内容を英語にした書類も必要です」と。たった一年で、平気でいろいろ勝手に変わってしまうのがNZである。みなさん国際免許を持ってきたほうが良いですよ。
 さて、佐藤さんはその足で出勤し、ワシらはマタウラに向けて相変わらず退屈な1号線をひた走る。牧場、牛、羊、たまにシカ。道路上にペッタンコにひきつぶされた鳥、ウサギ、ハリネズミ。ちょっとの間、海。道路とほとんど平行にのびる鉄道の線路。景色はそんな程度である。8号線を遠回りすれば、峻険な山々の間を行くドライブを楽しめるのだが、飛行機の座席に長時間拘束された後なので、遠回りする気にはなれない。
 時速100キロ、あくび100回、6時間ちょっと走るとマタウラだ。
 家はすでに電気も電話も使える状態に準備しておいたので、早速、途中で買ってきた肉やら野菜やらで夕飯を食う。オッカァは車中でほとんど寝てきたせいか、休みもせず料理や後かたづけを始める。そして、次の日からも元気いっぱいで雑草だらけになっている庭の手入れや掃除などをやり、課題のパイ生地を毎日作る。パイが大好きはオッカァは、食いに行くだけじゃ物足りなくなったらしく、「作る!」と言い出し、今年のNZ生活での最大課題と決めて来たのだった。
 最初の作品は皿に引っ付いて、どうにもこうにもなりゃせんばい、のヤツ。
 二回目のはカリンカリンに硬いやつ。「せんべいかよ!」
 三回目のがどうにか、「生地ですかね」って言えば「そうなのかな」って思えそうなシロモノだった。
 それでもなお、「生地なんてスーパーで売ってるべぇ」と言うワシの異議申し立てに対し、「買うんじゃ面白くないの!」と一向に引かない。
 まぁ、これについてはワシだって同じ様なことをしてので、文句は言えない。その辺の量販店にあるフライ竿でも毛針は飛ばせるのに、わざわざ竹を削ったり張り合わせたりして神経すり減らしながら竿を作ってるわけだから。
 さて、このピザ生地修行の最終仕上げはというと、オッカァが日本に帰る前の晩、佐藤さんたちでピザを焼いてご馳走するというもの。佐藤さん一家にとっては大災難であるが、思い込んだら、元には戻れないオッカァは「どうにもとまらないぃ〜、リンダこまっちゃうぅ〜」となるわけなのだ。
 てことをやってるうちにオッカァが帰る日はあっという間にやってきて、半日かけて下ごしらえをした生地を大事そうにクーラーボックスに入れ、佐藤さんちに向かう。「どっおっにっも、とっまっらっなっい〜、ウンジャ、ウンジャ、ウンジャジャッチャチャ」と、またまた一号線を6時間以上かけてクライストチャーチに走るのであった。・・ヒツジ・ウシ・ペッタンコのウサギ・トリ・・・etc.
※オッカァ、めでたく帰る(07/1/28アップ)

 クライストチャーチの街に着いた。が、まったく人間の記憶なんてあてにならないものある。めざす佐藤さんちの家が見つからないのだ。しょうがないので「迷子になっちゃいました」と電話すると、「そこ、行き過ぎですぅ」。どうやらワシ、ひとつ行きすぎた交差点を曲がったらしいのだ。適切に道順を教えてくれ、佐藤さんち発見。めでたし。
 「こんちわぁ」と外から言うと、ガラス越しに黒い物が盛んに動いてる。そうだった。佐藤さんは黒いラブラドールを飼い始めたのだ。まだ子供ながら、さすがラブ。すでに結構な大きさである。
 家に入ると早速飛びついてきた。いたずら盛りなので、ちょっとやそっとでは遊び終わらない。名前は「ハナ」。メス犬である。
 ハナは芝生の庭と、家のサンルーム、それにダイニングキッチンまでが縄張り。出入り自由の遊び放題でうらやましい環境である。芝生の上で走り回り、サンルームで昼寝、キッチンではイタズラを楽しむ。すでに、キッチンユニットの引き出しの木製ノブなどは用をなさないほどに完全に喰いちぎられていた。それでも、佐藤さんたちはハナが可愛くてしょうがない。「しょうがないですわ」と笑うだけである。
 しばらく遊ぶと、やっとハナはワシの周りから離れ昼寝場所に行き、静かになった。
 さてと、オッカァはピザ作りを始め、ワシは飲み続ける。
 ピザ修行は生地をうまく作れるかどうかの段階なので、トッピングはとりあえず有る物を乗せる。かなりの手抜きであるが、どうにか見た目はピザっぽい形の物体が出来上がった。
 佐藤さんも本業の腕を振るって、刺身を作ってくれていた。さらに、さちこさんも美味しそうなものをたくさん準備してくれて、豪華な食事となった。
 刺身は釣りたてのイナダのようなコリコリっとした食感にちょいと脂が乗った感じで、NZで捕れた魚だという。美味い。
 ピザは、ってぇと、ワシ食わなかったので、知らん。とりあえず佐藤さんが「美味いですよ」って言ってくれた。・・・そんなワケはないと、ワシは・・・思うんだ・・・オッカァは「やったぁ!」な〜んて喜んでるん・・・だけどね。
 と、いう具合に食べ、飲むなら、飲めば、飲まれるという風に脳味噌まで酒で満たし、気が付けばミッドナイトはとうに過ぎ、ダメだこりゃ寝よ寝よっというような時間まで、飲んだくれてしまったのであった。オッカァのピザ無理矢理攻撃より始末のわるい酔っぱらいであります。ゴメンゴメン。
 翌日、オッカァは一人帰国の途につき、めでたくワシの釣り生活が始まるのだ。
 と、いうわけで空港から飛んで帰って、まずは釣れたのが、前項の写真である。全身筋肉、マッチョッチョなブラウン。上のプールと下のプールを行ったり来たり逃げ回ること数度。柔らかめに作ったワシの竿はバットからグイグイ曲げられる。いやぁ〜、久しぶりだなぁ〜この感覚。ここはやっぱ、NZなんだなぁ。
※川の上流で、海のサカナの顔をしたのを釣るのだ(07/2/3アップ)

 日本の家から「今年、暖かくってさっぱり雪降んないよ」というメール。しかし、こっちはむこうよりもっと暖かい夏である。この時期の日中はマタウラ本流はライズが少ないので、他の川に出掛け、歩く釣りをすることが多い。
 今日も今日とて、ピーターと二人、とある川のずーっと上流に歩きに出掛けた。この辺は居着きのブラウンはほとんどいない。海から遡ってくるシーランを釣るのだ。当然時期が外れれば坊主。当たっても数がたくさん居るわけでもない。スカを喰らうのを覚悟の釣りだ。ワシはこういうの結構すきなんだけど、ピーターは釣れないと飽きてしまうタイプなので、彼が飽きるまでの釣りということになる。
 今回はいつも入る地点よりもっともっと上流。その区間はワシは始めて、ピーターってぇと、まだ二回目。どっちもさほど詳しくない。
 入って少し行くと、後ろ上方に立っていたピーターが魚発見。ワシが投げる。と、「待て待て待て!」と上で叫んでいる。「どして?待てって?」と振り返って彼を見上げたとたん、ドンと竿がのされ、バシンと音を立ててティペットが切れてしまった。一瞬の出来事で、ラインを握る手を緩める余裕など無い。「あ〜あ、見てなかったよ」と言うと、「俺も魚見えなくなったから待て待てっつったらどっからかぶっ飛んできて食っちゃったんだよ」だと。
 こういう場合、このあとは無し、というのがよくある。今日はこれでおしまいかなという不安が頭をかすめた。
 そしてやはり行けども行けども魚が居ない。それでも、景色を楽しみながら歩く。底が見えないほどの深いプールは取りあえずブラインドで投げる。最初の魚のように見えないところからでも毛針に向かって突進してくることを予想して。
 だが、そんな予想はことごとく裏切られ、またまた歩く。山奥の川なので、岸はほとんど傾斜になっている。足首がいつも斜めに傾いたままなので結構辛い。
 こうも釣れないといよいよワシも飽きてきて。2Xのティペットに#8のチェルノを結び、その先に3Xを繋いでニンフを付けた。毛針を沈めるのはワシ個人の好みとして本意とはしないのだが、こうも釣れないとしょうがない。やけくそである。
 なかなか良さそうなプールが現れた。取りあえず投げてみる。と・・・食った。ニンフの方でなく、チェルノを食いやがった。2Xに結ばれている毛針を食っちゃったのだ。後方で見ていたピーターが「イィーハァ〜!」と叫んでいる。大して大物ではないが、シーランはファイトが凄い。ティペットは切れなくても、フックが心配だ。3年ほど前にはこの下流で、#8のヘビーワイヤを見事に伸されたこともあるのだ。
 なんとかランディング。やっと釣れた一匹。この一匹が今日の唯一のものとなった。
 遠い遠い帰り道。とぼとぼ歩きながら「また記録を更新してしまったよ」とピーター。なんのことかと思いきや、ピーター、この川ではまだ一匹も掛けたことがないのであった。「いーっつもだよ!俺はいつもいつもハズレなんだよ。あぁ、いいさ、ずーっとこのまま記録更新してやるさ」とふくれっ面で言い放つのだった。「アハハハ」とワシが笑い、「メェヘヘヘ」と羊が笑った。


※ビリーザキッドとビールを飲むのだ(07/2/22)

 「タリラリラン川(嘘んこの名前です)に居るから来ないか?」とピーターから電話がきた。「いいネェ、行くよ」と即答。ピーターが泊まっているホテルで夕方落ち合うことに話はきまった。
 夕食はホテルで食うので朝飯と弁当用の食料をかき集め、出発。そこはマタウラから3時間チョイのところである。川は平原の中を大蛇を何百匹もつなげたようにグニャグニャと蛇行して流れている。それはS字などというなまやさしいものではない。もっともっと深く入り組んだ超過激曲がりのS字流れなのだ。予定通りいけばデブデブのブラウンが釣れる。
 ホテルでの待ち合わせの時間より早めに着いてしまったので、ちょっと川を覗きにいったら、なんとピーターの車発見。本人もそのすぐ上流に居るではないか。何カ所もあるアクセスポイントの中で今日あたりはあの辺が良さそうだなと思って行ってみたのだが、釣り師の考えることは同じである。
 さぁ、これから釣りをするには中途半端な時間。「帰ってビール!」っと言うと、「ほいきた」とピーター。
 ホテルに着くと、誰もいない。入り口のドアに「葬式に行って来ます」と張り紙。仕方がないので、持参したビールを木陰で飲みながら帰ってくるのを待つ。数本空になると、帰ってきた。さて、チェックインだが、なんのこたぁない、「どこ使ってもいいわよ、鍵は要らないでしょ、要るんならあるにはあるわよ」と、いい加減この上なく、気楽なもんである。
 ホテルと言っても、ニュージーランドの田舎の場合、飲み屋という意味の場合が多い。自動車も無いような大昔の、一階がバーで二階にその客用の部屋があるという形式の名残で、飲み屋イコールホテルなのだ。
 で、ここの場合も、もののついでというかオマケという感じで裏庭に何棟かのキャビン(バンガロー)と、別棟にキッチン、トイレ、シャワーがあるだけで、普通のホテルらしい客室は無しだった。
 夕食までにはまだ間があるので、生ビールを飲むべく、ホテルに行くと、ついさっきまで無人だったホテルにはいつの間に集まったのかすでにたくさんの客が入っていた。全員地元の農家のオヤジやオニィチャンたちであるが、その服装といい、バーのインテリヤといい、まさに西部劇のノリであった。まるで今にも、腰にはコルト45をぶら下げ、ブーツのかかとにはシャリーンシャリーンと歩くたびに音がする拍車を付けたビリーザキッドが押し戸を開けて現れそうな雰囲気だ。自分もその俳優の一人にでもなったような気分にさえなり、ワクワクと楽しくなってしまうのであった。
 ビールが美味い。いつも飲んでいるスパイツやDBブランドなのだが、ビン入りの味とはやはり違う。ケーグと呼ばれる金属製の樽に入った生ビールの味だ。夜な夜な集まってくる地元のオヤジどもの気持ちがわかろうというもので、ワシだって「こういう美味いビールが飲めるならサカナなんて釣れなくてもいいやい」と思ってしまうのである。
 というわけで、しこたま飲み、ステーキやらハム、ソーセージ、フライドポテト、マッシュルーム、サラダなどが山盛りになった「ミックスグリル」なる夕食を食い、キャビンのベットに倒れ込んだのであった。
 さて、次の日から釣りであるが、これはいつものようにライズを見つけて忍びより毛針を投げるとパッコ、グイッ、ジーィ〜ィ、バッシャーンとなるだけなので、書くのは今回は省略。(実は、あまりたくさんも、うんと大きいのも釣れなかったので、書けるほどのことが無かったのが本音)。生ビールで満足してしまったせいではないかなぁなんてね、思うのである。
 一応、ピーターの晴れ姿だけ載せておきましょう。「バッシャーン」という場面なわけです、ハイ。

※たまにはワシだって変化があるぞい(07/3/6アップ)

 マタウラ村から15分くらいのところにゴアというちょっとした町がある。そのメインストリートにある本屋が釣り師向けの雑誌や地図など品揃えがよく、たびたび足を運んでいた。
 つい先日、そこのオヤジと釣りの話しをするうち、彼のサイトからリンクしてあげるよという話しになりワシの方からもリンクすることを約束した。
 しかし、一ヶ月もしないうちに何の前触れもなく突然店を閉じてしまったのだ。あのとき、少しくらいそのそぶりを見せてくれてもよさそうなものをと思うのだが、どうやらこっちのひとは何かを始めるのも止めるのもきわめてあっさりと決断してしまうようである。いさぎよし、と思えばそのとおりかもしれないが、利用する側はカックンと腰がくだけてしまうのである。
 最初の項にも書いたとおり、硬貨が変わったり、免許のしくみが変わったり、今回のように店が消えたりと、どんどんどん勝手に変わってしまうのだ。
 しかし、そういう変化をただオロオロと眺めてばかりはいられないのだ。ワシだってやるときゃヤル!つまりワシだってたまには変化しちゃうのである。
 えい!とばかり、家を売っちゃうのである。どうだ、ちょっとした変化であろう?
 理由はってぇ〜と、このところのマタウラ川沿いの家の値段がどんどん値上がりしたので、今をおいてはチャンスはないとの判断。結構セコイ動機であるが、これは貧乏人の性なので、ドウニモトマラナイィ〜(またまた、リンダ困っちゃう、なのだ)。
 というわけで、すでに買い手も付き、ワシがマタウラを去る次の日には人の手に渡る。
 そういうわけで、来年からは家無し釣り師だ。こっちに家を持って長期滞在している外国からの仲間たちからは「来年からどうするの?」と会うたびに心配されるが、家が無ければ税金は払わないで済むし、行き来するたびの電気や電話の接続手配やら芝刈りや垣根の刈り込みなどなど雑多が仕事がすべて無くなるわけで、むしろ気楽に楽しめそうな気がする。ちょこっと荷物をまとめりゃ何処にでも放浪しに行けるというわけだ。
 さて、今日は少し片づけをした。壁のあちこちにピンで留めてあるメモやら写真を剥がしていく。冷蔵庫にはこっちの食材で作れる限りの料理リストが磁石でくっつけてある。飯を何にしようかと悩んだときにこのリストから選ぶのである。ステーキ、親子どんぶり、カレーライス、ピザトースト、肉と野菜の味噌orしょうゆ味炒め、ポテトサラダ、ショウガにしょうゆ味の鶏のお煮染め、チャーハン、すき焼きもどき、塩ニジ定食、スパうどん・・・等々、冷蔵庫からはずして手にとって読んでみると、リストの下の方にいくにしたがって怪しい名前になってくる。苦し紛れに考えだした日本の味だった。その紙っきれをみていると、いろんなことが思い出され片づけに身が入らなくなってしまったのでビールビールと冷蔵庫を開け、今日の作業はおしまいにした。な〜に、急いでやらなくても、家具付きで買ってもらったので、あとの作業はそんなに手間取ることもあるまい。
 週末、お別れ会だと言って、バーベキューをやってくれた。オーストラリアからのピーターとグレッグとアダム。カナダからのハリーとケイ。アメリカからフランクとシェリー、それにロン。地元のジュリアン、カイリー、ヘレン、ジム・・・。また来年も会う仲間達である。しかし、やはり今回は毎年のお別れパーティーより心なしか感傷的な気分だった。まぁそれでも夜がふけるにつれ、ワインのボトルはどんどん空になり最終的にはいつものようにバカ騒ぎになってしまうのだった。酒飲みはどこでやっても楽しい。